あたたかな庭もいつしか
凍ってゆき
手の中に抱えられるものは
息のないものばかり。
ほつれた糸がそれでもつなぐ縁、見やって
深呼吸する。
つっと引けば途切れる、それを
頼みにして
とりとめのない指先でまだ
帰ることができると信じ込んで。
つながる位置を求める、
さまよう身体。
まとったコートの袖から飛び出た糸は
見えない(ことにする)。
#ヘキライ 参加作品
季刊ヘキ https://twitter.com/kikanHEKI
2017/4/14