雨が降らなくて 紫陽花がうつむいているのを 見ていることしかできない、 念を押すように 天気予報から傘のマークは 消えたままで。 張り詰めた日差しが満ちて、 空白に冷やされた身体を 追い立てては 輝きを求める街角、から あわてて ちいさな部屋へ舞い落ちる。 扉を開けて よどんだ空気が流出すれば、 まだ 呼気にあたたかさがあることを 思い出すだろう。 2017/6/24