静けさが滲んで 扉を開く。
闇はくぐもり 朝陽がきらきらしい。
(足跡を見れば 貴方の居所がわかる。
幼い日のまぼろしが
今朝のわたしに呼吸をさせる。
祈りは宙に舞って
陽光は涙を乾かす。
いつかこの厳しい顔を脱ぎ捨てて
右のかかとの内側が深い貴方の足跡を追いかけ、
貴方のもとへ届くだろう。
今はまだ 生きなければならない、から
想いは消せないろうそくとなって
静かに灯る。
2017/8/29
『斜陽の国のルスダン』(並木陽さん/銅のケトル社/一次創作同人誌)によせて書きました。