あなたが。 わたしの肺の底にいて ときおり香ること。 離れてしまっても 消えないものとして 抱える。 尊い、感情なんかではなくて わがままな 足跡。 あなたにも付いていればいい。 春は果てた。 盛夏は過ぎ、 芯ばかりが冷たい秋。 関係があたたまることはないのだろう。 しずんだ空気の奥に あなたをひそめて 静かに息を吐く。 2017/9/14