なつなつ、夏です。光が、ひかっている。
どこもかしこも、道端の雑草も入道雲も線路もスニーカーも濃くなって光を集めている。こんなにぴかぴかして跳び回る。空気も底抜けで青々としている。心なしか駅の向こうの山が近付いている。電車から眺める川の流れはたぷたぷと変わらない気がする。河川敷はあんまりに日向なので、すっからかんに見える。
喉の奥でレモンスカッシュを弾けさせて、白いTシャツの刺繍が笑っている。晴れの真夏日、呼べば呼ぶほどに、まなつ、まなつ、親しみと慈しみ湧いてくる。
今はもう、ひかりつづけていて。
2019/6/19