雨が降りしきる 海は海のままで 顔色を変えることなく 波を寄せ 流れをつくり 潮の匂いを辺りに満たす 雲ともやの境目が わからなくって 船が突然に視界へ飛び込む 端っこ同士をつなげて ひとりぼっちからは遠い 海峡を望む 観覧車に乗るには 周りの色が白くかすんでいて 防波堤を歩いた 蓄積されていく 一層一層のゆらめきを見て ひとつ息をする わたしは明日この町にいない 旅びとの目が今、強くある 2019/4/30