八月の視界

記憶はとりどりに混ざり

飛び飛びに着色される

八月の空気はごまかしを許さない

突きつけて、わたしの視界を塞ぐ

ゆれるマーブル模様

はるか、かなたの

断片たちがくっついていく、

ついて、ついて

息継ぎすると

ここは八月

見たはずの景色

聞いたはずの声

浴びたはずの言葉

カラフルなマスキングテープで

連なっている、つながっている

見ていないものを見て

聞いていない言葉を

あなたの声で浴びる

ごまかしは許さないから

目を閉じることができない

耳はいつでも開きっ放しの

あかるい野原、

だだっ広い感覚を走り回る

そういえば

もう、お盆休みで

何百キロも離れた故郷

おじいちゃんと 犬と

おばあちゃんと 夏糸の編み物

みんないなくなって

記憶のなかに

ぽんっと浮く島になって

たまに顔を出す

くっきり像を結ぼうとすると

なぜかいつも

マーブル模様ほどけて溶けて

わたしの視界は

暑く乾いた八月の青空と濃い緑、