宛先未定

切る者と切られる者

一ヶ月の重みがぱたぱた ぱたぱたと

落ちていく

オフホワイトのケープの肩口や

ひざの上をかすめて床へ

「一ヶ月分とは思えないほど梳きました」

身体はまだまだ生きるので

細胞は次々わたしの気付かぬうちに入れ替わり

髪と爪がそれを代表する

 

あらわになった首筋を風が撫でる

肩甲骨が羽ばたきを思い出す

どこへも行けない、のではなく

どこへでも行ける、わけでもなく

ただ、幾らかの宛先が目の前にあって

届けられに行く

宛名を書かれていない手紙として

まだ見ぬ現象・土地・あなたへと

開封されに行く

開かれた先で更新されるだろう

身体もわたしも

知りたがりなので

感覚を拡げて

ことばと繋げようとする

立派な物語など持ち合わせていないけれど

綴る今日が重ねられて明日へと

わたしを羽ばたかせる