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太田市美術館・図書館に行きました

「本と美術の展覧会vol.2 ことばをながめる、ことばとあるく‪ ‬詩と歌のある風景」を見るために、群馬県の太田市美術館・図書館まで出かけました。

 

太田市美術館・図書館で最果タヒさんらの展示があると知り、図録は全国で販売されることも知ったのが8月の頭あたりだったでしょうか。
最初は群馬は遠いし、図録があるなら行かなくてもいいかなと思いました。しかし、やはり見られるものなら見ておきたいなと思い直し、9月は三連休が2回もある! 行ける! と太田市に何があるのかもわからないまま、ホテルを取りました。
新幹線の切符を買い、東武の特急りょうもう号の特急券もネットで購入して、準備万端です。

 

東京駅で新幹線を降りてから、りょうもう号に乗るため北千住駅まで行く途中の乗り換え駅が上野でした。駅ナカにいろいろお店があって、上野限定のパンダトートバッグ(小ぶり)を買うという寄り道をしつつ、余裕を持って北千住駅へ到着。りょうもう号に乗り、1時間ちょっとで太田駅に着きました。
駅の北口を出たら目の前に太田市美術館・図書館があります。
あかるく、開放感のある建物という印象です。

 

さっそく、展示を見ることにしました。
1階が一番の目的とした、詩×グラフィックの展示です。
最果さんの詩が3人のデザイナー(佐々木俊さん、祖父江慎さん、服部一成さん)によって、さまざまなレイアウトで展開されています。
詩集で読んだ詩が、壁面や透明なキューブや看板やポスターにレイアウトされて目の前にあるのは面白い体験です。
本を飛び出した詩がいきいきしている、と感じました。レイアウトが変わって、本よりも自由な文字の大きさ、行間、文字数、色になっています。
でも、感じるのは詩そのものだなぁとも思います。うまく言えないけれども、詩とグラフィックが合わさり、ことばが詩集で読むよりも大きく目に入ることで、より詩が伝わるという感じです。
わたしが文字を読むときに思うことですが、活字はよい意味で温度が一定で、そのぶん書いてあることが直接的に伝わるように思います。活字のレイアウトが変わっても、中身の詩は変わらず、双方のつよさが飛び込んでくるようでした。
1階は撮影可能だったので、記憶をたどる手掛かりとして何枚も写真を撮りました。

 

2階は詩×絵画で、管啓次郎さんの詩と佐々木愛さんの絵が展示されています。詩は同じ大きさの手触りがよさそうな紙に手書きされ、絵はさまざまな大きさです。
1階とは違う詩のあり方です。手書きの体温があって、walkingというテーマの通り、詩人の身体を通して出てきた表現だけれど、ひとつの身体やひとつの土地に縛られない広がりがあるなと思いました。
絵には詳しくないのですが、確かに並んで展示されるべきモチーフというか、伝わってくるものがありました。色合いやタッチが自由自在だとも感じました。
また、1階から2階に上がるスロープにはテーマに添って選ばれた本も並んでいて、読むことができます。

 

3階は短歌×イラストレーションで、明治生まれの歌人大槻三好さん・松枝さんの短歌と、惣田紗希さんのイラストが展示されています。大槻夫妻の短歌が時系列に沿って並び、惣田さんのイラストレーションは部屋の壁面三方向いっぱいにつながって広がる、ダイナミックな展示です。短歌は個人的なことを書いたのだろうけれども普遍的に響く言葉でもあって、イラストレーションも短歌の並びにぴったりで、大槻夫妻を表すというよりも読み解いた結果としての作品かなと思います。古びていない短歌と、新鮮なイラストレーションが素敵でした。

 

(ギャラリートークを聞きたかったのですが、あと少しのところで開始に間に合わなかったのが残念でした。)

 

居合わせた人は、それぞれの呼吸、動き、角度、距離で作品を見ていて、まるで詩集の読まれ方が目に見えるようだなと思いました。

 

展示を見終わって、テラスに出ると太田市が一望できます。景色もいいし、椅子もあって、涼しいときに読書をしたら気持ちがよさそうです。テラスは3階から1階まで繋がっていて、驚きました。

 

せっかくなので、図書館も回ってみました。
絵本と芸術の本が充実しています。美術館と併設だからなのだろうなと思います。雑誌もたくさんありました。
文学は少なめで、普通の図書館との住み分けがされているのかもしれません。
建物の構造が楽しくて、スロープが中心になっているらしく、歩いていたら違う階に着いていて、明確に区切られていないから、本とのふとした出会いがありそうだなと思いました。

 

それから、中・高生くらいの学生さんの姿が多かったことも印象的でした。カフェや窓際のカウンターテーブルで勉強していたり、図書館のあちこちで座って本を読んでいたり。
全体的に、雰囲気が堅苦しくなくてやわらかい印象です。こんな立ち寄りやすい図書館があるのは、うらやましいです。

 

太田市の観光情報を調べて、金山にも行ってみようと思い行き方を見たら、路線バスがなくタクシーになるとわかって、迷いましたが止めることにしました。タクシーに乗り慣れていないので、ひとりで往復タクシーはちょっと心細くて…。

 

結果、2日目も展覧会を見ました。再入場できたので、1日目と合わせて3回見たのでした。

 

突発的に決めた旅だったので、太田市の駅前でしか過ごさなかったけれど満足です。
行くかどうか迷っている方は、行ける日があるのならぜひ訪れてみてください。図録も素晴らしいけれど、実際に体験するとより言葉に迫ることができると思います。