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長谷川書店水無瀬駅前店のこと

それは5年くらい前、大学を卒業して京都から大阪に引っ越した頃のことです。大型書店で手に取った雑誌が書店特集で、そこに長谷川書店水無瀬駅前店が載っていました。なんだか気になると訪れたような気がしますが、今となってはもう通い過ぎて記憶があいまいです。
最初の頃は、はせがわさんをはじめお店の方々とは距離があったのですが、レジでお会計をしたりカバーをかけてもらったりする間に二言三言交わし始めたはずで、だんだんと会話が続くようになり、今ではすっかり馴染んでいろいろお話しさせてもらっています。
その流れで、詩を書くこと、投稿のこと、私家版のことも話すようになり、『きょりかん』と『ひかりがやわい』を置いていただいています。

長谷川書店水無瀬駅前店はその名の通り、阪急京都線水無瀬駅の一つだけの改札を出てすぐ目の前、20歩から30歩くらいのところにあります。改札を出て右斜め前を見ると、小さな子ども向けの絵本や雑誌の棚が目に入るはずです。
町の本屋さんの顔と、セレクトショップの顔がいい感じに混ざっています。
雑誌類と文庫が多め、コミックスも参考書も旅行ガイドも置いてあって、小さいけれど詩歌と海外文学の棚もあり、奥に入ると判型もジャンルも異なる本がおそらくはゆるやかなテーマに沿って並べられている、と言った感じでしょうか。
時間がゆっくり流れていて、お店のみなさんもせかせかしているところはあんまり見たことがなくて、ゆったりとした雰囲気なので、焦らずのんびり本を選べます。
私家版の詩集や作品集が置いてあったり、ちょっと珍しそうな本もあるし、棚の並びが面白いので、意外に長居してしまいます。

イベントも色々あります。読書会、ひとり芝居やライブ、トークイベントなどわたしはいくつかに居合わせましたが、面白くて不思議な空間が現れます。時間はまちまちで、開店前の時、営業中の時、閉店後の時があります。
本屋さんで読書会は珍しくないと思いますが、出汁がテーマの回で出汁が本当にふるまわれた読書会は他にあるのでしょうか。
トークイベントは程よくゆったりと柔らかい雰囲気でした。
ひとり芝居とライブはいったいどういうことだと思いましたが、なんだかそんなに違和感がなく馴染んでいて、何でも受け入れてしまえるお店なのかもしれません。

阪急京都線水無瀬駅は大阪府の北東部、三島郡島本町にあります(JR京都線の島本駅からも歩いて10分くらい)。準急と普通が止まる駅です。
水無瀬駅のあたりにはツバメが毎年巣を作って、高架下を器用に飛び回っているくらい、駅前ものんびりしています。
のどかな町にある、町の本屋さんでじっくりと本を選んで、その本を読むのもよいのではないでしょうか。
大阪から京都に行く途中、あるいはその反対で小さな寄り道もきっと楽しいと思います。