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2020年のまとめ

今年は新型コロナウイルス感染症抜きでは語ることができない一年になったと思います。わたしは幸いにして、一年を通して見るとさほど大きな変化がなく過ごすことができました。とは言え、春に外出自粛のために家でひとり過ごすことになり、誰ともほとんど話さない日が数日続いたときに、衣食住がそろうだけでは暮らせないのだな、と感じた年でもありました。その中で、精神面を支えるという点において、娯楽や趣味が果たす役割は大きいのだろうと思います。わたしの場合は本や詩があることが助けになっていました。読んだり書いたりする間は少し現実から離れられます。
さて、前置きはこのくらいにして、より個人的な振り返りに入ろうと思います。時系列に沿ってではなく、できごとの単位で書きます。

『声を差し出す』が第25回中原中也賞最終候補に選ばれたのが2月です。ずっと前のことのように思えます。『きょりかん』のときで一連の流れがわかっていたので、今回の選考会の日はとても緊張していました。家にひとりでいたことで気を紛らすことができず、夕方にはぐったりしました。自分にお疲れさまの気持ちで、ちゃんぽんとパフェを食べたことを覚えています。候補になった嬉しさと、選考会の日が終わったことにほっとして、悔しさは全然浮かばなかったのでした。悔しくないのはいいのか悪いのか分からないのが正直なところです。賞がもらえたら嬉しいし、読んでいただける機会が増えたらいいなとも思うのですが、そのために狙って書いているわけではないので…。
この時はまだ秋の文学フリマ大阪で『声を差し出す』を頒布するつもりでした。しかし、感染拡大を受けてイベントへの参加は見送ったため、頒布は書店への委託とオンラインショップが中心になりました。まずはBOOTHを開設し、その後利便性を考えてBASE(https://ayaebina.theshop.jp/)に移転しました。
ユリイカに掲載された選評を読んで「わたしの持ち味って何?」と困惑したこともありました。一昨年に『きょりかん』が評価されたことで、ビギナーズラックだったらどうしようとか、超えていかなければならないなど、この2年ほど良くも悪くも囚われていたのだと思います。そのために、言葉の使い方や詩の展開が硬くなった部分もあった気がします。『きょりかん』で書けたものもあれば、『声を差し出す』で書くことができたものもあると思うので、自分の詩を自分で決めつけずに書き続けることで新しい扉を開けたらいいな、と考えています。今はまた楽しく書いているので、よい流れでこれまでの詩集を忘れられているような、囚われていないような感覚です。この先は、2021年の秋から2022年の春の間に詩集を出したいと思っていますが、どうなるのかは未来のわたしに任せます。

1月の文学フリマ京都が今年の最初で最後のイベント参加となりました。記憶が薄れていますが、『声を差し出す』を唯一自分で頒布できた機会でした。熱気が感じられたこと、見本誌コーナーの配置とブースの位置関係がわかりやすかったことなどを思い出しました。『声を差し出す』はもう少しイベントで頒布したい気持ちがあるので、次回の文学フリマ大阪は状況を見て参加を判断したいと考えています。
『ことばのざんきょう vol.8』も作りました。オンラインショップのみで頒布しています。今年作った本はこの小さな個人詩誌だけでした。今まで本にするのが楽しくてたくさん作っていましたが、そろそろ落ち着いてきて、もう少しじっくりと作る時期が来たのかなと思っています。

目標の達成はどうだったかというと、なかなか良かったのではないかと思います。
◎日記を続ける
これは、毎日とはいきませんが断続的ながら書き続けているので、△かな? という手ごたえです。初めはちくま文庫の文庫手帳に書いていましたが、日によって書きたい量に違いがありすぎ、iPhoneの「PenCake」というメモアプリに切り替えました。このアプリは見た目も操作性もシンプルなので書くことに集中できると感じます。メモを「物語」という単位で分類できるのも便利です。今年の春は延々と書き連ねていたので、相当このコロナ禍の環境がストレスだったんだな…としみじみし、今は良くも悪くも慣れてしまっている自分を感じます。日記が飛び飛びになり一日に書く量も減っています……。

◎詩を楽しみ、いきいきと過ごす
これは◎を付けましょう。なんだかんだで、今年も1週間に1篇くらいのペースで詩を書きました。すべてが納得のできとはいきませんが、1ヶ月半から2ヶ月に1篇くらいはよいものが書けた感触があるので、今のところわたしはこのくらいの速度で書くのがいいようです。ひとつの詩に言葉や情景などを盛り込み過ぎないようにと思うと、いくつかの詩に分けて書くことになるので、わたしは書く数が多く、1篇はさほど長くないのかななんて思います。もう少し1篇に時間をかけて、徹底して質を高めるという方法も来年は試せたらいいのかもしれません。
体調面も今年はほぼ好調でした。40℃の熱も出さず、時々頭痛はあったものの体調不良で寝込んだのはたぶん2~3日くらいだと思います。6月から始めた毎日湯船に浸かることがわたしには合っているようで、疲れを引きずって土日を眠るだけで終える日がほぼなくなったのは大きいです。二度寝や昼寝をする日はあっても、せいぜい2時間くらいなので、週末に読書や詩作がはかどったと思います。そうすると、一日を寝て過ごして無駄にしてしまった…という後悔が減るので、精神面でもよい効果でした。
精神面も好調で、5~6年飲んでいた抗不安薬のレキソタンをやめることができました。飲むのをやめても、何も問題なく過ごしています。この状態を維持していきたいものです。

ここまで長い文章をお読みいただき、ありがとうございます。
今年も大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。