月報 2024年10月

 10月だと言うのになかなか涼しくならなくて秋らしくないと思っていたら、今週あたりからようやく秋めいてきた気がする。何を着たらいいのかわからないと思っているうちに寒くなるのだろう。

 今月は表立って詩人らしいことはしていない。来年に次の詩集を出したいと思っていて、文学フリマ大阪12を振り返った記事に「2025年の夏に新しい詩集を作ろうと考えています。今のところ私家版の予定です。わたしに費用負担が発生しない形で出せるのであれば出版社から出したいとは思いますが、それは難しいでしょう。」と書いていた。「難しいでしょう」と早々に諦めるのではなくて、どうにか売り込みをしてみたほうがよいのではないか。それならば早めに原稿をまとめ始めたほうがよいだろう、というわけで、詩の絞り込みを進めていた。わたしはたくさん書いては捨てていくタイプなので、ここ数年は1年でだいたい30〜50篇清書している。『あかるい身体で』以降の詩をまとめるので、だいたい80篇くらいだろうか。スマホやパソコン上で読んでイマイチと思わなかったものをひとまず印刷したら42篇あった。家で読み、カフェで読み、何度も繰り返し読んで26篇にまで減らした。仮で配列も決めた。今年はまだ2ヶ月あるので新たに書いた詩を加えたいと思うかもしれないから、その詩と26篇の組み合わせを考えて、もうちょっと詩は減らすかもしれないし、配列は見直す気がする。詩のタイトルをつけるのが苦手なので書き終えても無題のままのことが多くて、これからは一篇ずつタイトルをつけていく。そうこうしているうちに年末になるだろうし、年明けには収録作と配列を確定させたい。

 売り込みの方法は全くわからない。本屋さん経由とかSNSで募るとかして、なんとか編集者さんに繋がっていけたらいいのかな、と思う。この辺の仕組みが10年くらい書いていても見えてこない。原稿依頼は突然やってきて、書いて提出したらゲラになって、訂正を加えたあとに発表される。一瞬の嵐みたいな感じ。

 わたしは用事がなくても「そろそろ休みたいなー」という気分で有給休暇を取ることがある。この用事がない有休を心の中で「無意味有休」と呼んでいて、この日に何をするかは前日の夜や当日の朝に決める。用事があるときとは違って平日にのんびりできるので、ちょっとした気分転換になる。役所などに行くときは一日仕事ではないにしてもやるべきことを済ませてしまわないといけない。旅行とかライブとかは楽しくて大きな気分転換になるけれど、やりたいことを詰め込みがちだし、余韻に浸りがちだから、のんびりとはちょっと違う。

 今日も無意味有休をとっていたので、中之島美術館に行って塩田千春の展示を見た。現代美術って難しそうだという印象だったのだが、糸を使ったインスタレーションが好みだった。記憶や身体性、繋がりといったことが主要なテーマで、わたしの詩にも繋がるところがあり、最後の大きなインスタレーションを見ていたら泣きそうだった。中之島から歩いて、大阪駅前第二ビルでお昼ごはんを食べた。大阪駅前第一ビルから第四ビルは小さなお店がたくさんだから、入る時に少し勇気がいるけれど、一回入ってしまえば気にならない。それから、気に入っているカフェで本を読んだ。『風の王国』シリーズも半分くらいまできて、年内には読み終わりそう。並行してエッセイを読んだり詩集を読んだりしているので、休日のカバンには常に2〜3冊本を抱えている。